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風に織られるタオル:池内タオル

4月22日2008年 カテゴリー: ビジネス, プロジェクト, 国内, 製品

風に織られるタオル:池内タオル

愛媛県今治市というところは、タオル産業の街として知られる土地だ。世界を探しても珍しいタオル産業のメッカには、130社のタオルメーカーがひしめく。その中にあって、異彩を放つメーカーが、池内タオル。自社ブランドを起ち上げ、『風で織るタオル』なる商品を柱に置くメーカーだ。たかがタオルと思うことなかれ。タオルというシンプルなプロダクトにでさえ、オリジナリティは込められる。

取材:鈴木隆文

タオルの品質を左右するポイントとなる原材料

タオルの街のタオルの家に生まれて、やはり子供の頃から、タオル漬けの暮らしだったのでしょうか?

いいえ、そんなことはありません。普通にタオルは使ってはいましたけど。元々、池内タオルは父が経営していた会社でしたが、父は厳しかったですからね。「子供が、遊び半分で工場に入るな!」というのが、父の方針でしたから。最初に就いた仕事も、営業企画です。松下電器の社内オーディオブランド、テクニクスの仕事をしていましたから。

テクニクスと言えば、かなり高い品質のオーディオ製品をつくっていたブランドとして有名ですよね。

テクニクスには、当時、非常に優秀な開発者たちが集まっていたんです。営業企画だった私は、創成期からピークのときまで、そこにいたんです。そこで学んだものづくりの下地は、当然、今の仕事にも活きていますね。オーディオというのは、5000円のプレイヤーでも、100万円のプレイヤーでも、都はるみは都はるみでしかないわけです。そこで、どう差を付けるか。技術だけではなく「何か」をつくらないと売れないわけです。それを日本、アメリカ、ヨーロッパの市場で売れるようにしなければいけないわけです。当時は、企画マンとして、なかなか面白い仕事をさせてもらっていたんです。

「ただの」タオルゆえに、企業秘密は多いようだ

タオル工場内部

タオルが生まれる工場。なかなか想像しない場所だけに、新鮮

池内タオルに入ったの何年のことだったのですか?

1982年です。テクニクスを辞めて、企画マンとして、池内タオルで何かできるんじゃないかと考えたわけです。で、ある日、「今日から僕がこの会社の社長をやります!」という形で会社に入ったんですね。それからは、いろいろなタオルをつくりましたね。日本のタオルメーカーというのは基本的には、OEMメーカーなんで、さまざまなライセンスブランドの製品をつくるわけです。でも、私は、池内タオルの品質が一番だとい信じていましたから、子供の成長に合わせて、受注する仕事も「キャラクターもの」をやっているライセンスブランドなんかを優先して、製造していましたね(笑)。

池内タオルでは、何と言っても「風で織るタオル」というユニークなタオルが目をひきます。タオルという極めてシンプルなプロダクトに、ここまでのオリジナリティが宿らせるのは凄いですね。

これは、環境にいい、いわゆる環境商品で、風力から電力を供給して織っているオーガニックコットン素材のタオルです。オーガニックというのは、言葉で言えば簡単ですが、有機野菜栽培と同じです。それぞれの素材の品質が安定しないから扱いづらい。でも、元々、この商品は、ものづくりの理想型を追求する形ではじめた商品なので、商売のことは考えていなかった。だから、どんどんストイックな方向で商品開発をしていったんです。そうしたら、4年目あたりから、ファンが付くようになって、注目もされるようになって、2002年には期せずしてニューヨークのホームテキスタイルショーでは金賞も受賞してしまったわけです。


風力で織るから、商品名が「風で織るタオル」

奥ゆかしさ漂う「池内タオル」の昔の看板

これは、折り紙ならぬ折りタオル!商品名は「タオル・オリガミ」

元々は、どんなキッカケではじめたタオルブランドだったのでしょうか?

タオルのOEMメーカーとしての、ライセンスブランドに対しての、ささやかな反抗だったんです。「自分たちのブランドでタオルをつくってしまえ」という欲求不満から生まれたんですね(笑)。そもそも日本のタオル市場というのは、世界的にみたら特殊なんです。タオルというものは、人から贈られる物ということになっていますからね。本当は、欲しいタオルを買うのが当たり前だと思うんです。そんな想いもあって、「いつかはこういう物が売れる時代が来ればいいね」と言いながらこだわってつくっていたタオルだったんです。

こだわってつくったものが、主力商品になっているというのは、ある意味においては理想的ですね。

難しいですよ(笑)。池内タオルを支えてくれる熱心なファンはいても、確実に買ってくれる問屋も百貨店もない。つまり、それは、安定した需要がないということですからね。OEMを受けるにしても、ウチは、池内タオルのコンセプトでOEMをやりたいというものしか受けません。

風を連想させてくれる雲のイラスト

一見、普通のタオルも触ってみると違いが歴然

風で織るタオルは、なかなか高級というか、値が張るものなんですね。

世界で一番高いタオルなんです(笑)。これは冗談抜きで、アメリカにあるabcカーペット&ホームという高級インテリアショップなどでは、160年前にタオルを発明したことで知られるイギリスのクリスティーというタオルメーカーやフランスのイヴードロームという老舗メーカーなどを差し置いて、ウチのタオルが一番高いんですよ。ウチのは厚化粧をせずに手触りがソフトなんです。お客さんたちには、「ミラクルソフトネス」なんて評されているんです(笑)。

抱えているタオル職人さんというのがいるのでしょうか?

それは、私ですよ。だって、タオルは工芸品ではないんですから。デザイナーもいるし、織る職人もいるけど、いろいろなものの積み重ねで、トータルで品質をコントロールしているのは、自分しかいないんですから。



ふんわりとした手触りと鮮やかな色が特徴的だ

どこでタオルづくりに関する感性というものを身につけられたのでしょう?

それは、タオルは、子供の頃から誰もが使っているものですからね。それは単に感性の問題ですね。タオルづくりに重要な要素は、原材料、水、そして感性です。そのどれもに劣る他所の国で、コストのことだけを考えて、タオルづくりをするなんて考えられない話ですよ。そういう生産工場は、ジプシーのように人件費の安いところ安いところと放浪していくんでしょうね。

池内タオルの商品は、真似されることもきっと多いんでしょうね。

それは良いものだから真似されるんであって、それはイイことなんじゃないですか。 私たちは、2番手コンセプトのものはやりません。常にオリジナルであることを方針にしていますから。

工場内には、企業秘密が多くあるので、あまり仔細には見せられないとのこと、残念

昔ながらの手動式の織り機

今治はタオル産業で有名ですが、この地域に貢献したいなんて夢もあったりするんですか?

まあ、それは、池内タオルが有名になれば、自然と今治タオルも有名になりますからね。今治タオルが有名になったって、今治のすべてのタオルが売れるわけではないですから。世界中で共通に受け入れられる高品質のタオルというものをつくれたら、というのが私の夢ですね。世界一のレベルというのは、実は、今治の人たちが考えているよりはずっと高いところにあるんですから。

それにしても、オーディオからタオルへの転身は見事ですね。

モノ自体が変わっただけで、アイディアを出すという意味では、企画マンはどこに行っても仕事はできるんです。私は、そう信じています(笑)。

池内タオル
愛媛県今治市延喜甲762

池内計司
1949年、今治市生まれ。池内タオル代表取締役社長。




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3 コメント

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    Posted by: john @ 5月24日2011年

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    Posted by: christian louboutin @ 11月10日2011年

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    Posted by: Virgilio Vaghn @ 12月6日2011年

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